Island Life

< それ英語じゃなくてコミュニケーションの問題 | 舞台公演の開演時間 >

2011/11/18

クラスアクション

Foreign Currency Fee Litigation Settlement Fundというところから小切手が届いた。心当たりが無いので、書かれてるウェブサイトにアクセスして慣れない法律関係の文章を読んでやっと思い出した。海外で使ったクレジットカードの手数料徴収が不透明であるっていう反トラストのクラスアクションがあって、アンケートみたいなのに答えたことがあった。もう2〜3年前だと思うんだが。その訴訟が和解に達したので和解金からの分配分だそうだ。戻ってきたのは$18ちょっと。

クラスアクションは、該当する場合(今回は1996年から2008年だかの間に該当するクレジットカードを持っててUS国外で使った場合、だったかな)には自動的に原告に入るんで、参加したくない人だけ書面で通知しないとならない。あの時は他にも、請求金額を決める項目を選ぶようになってたような気がする (使用履歴を全部並べるとか、年何回海外旅行してこのくらい使うってのを書いてそれをもとに割り出してもらうか、めんどくさいから一律でいいよってのにするか)。もう何を選んだか忘れちゃった。

そういえばここ数年、海外で使った分のクレジットカード料金明細で、実際に使った金額の表示と、Foreign Transaction Feeの表示が別々に書かれるようになってたけど、この訴訟の影響だったのかもしれん。

クラスアクションは有利な示談に持ち込めれば手がけた弁護士事務所は大儲け、ってところがアメリカ的だなあと思う。今回みたいに原告が大量にいれば、個々の原告に帰ってくる金額は雀の涙になるけど、では弁護士が手数料取らなかったらどうなってたかというと戻ってくるのがせいぜい数ドル増えるだけだし、訴訟が起きなければそもそもそれは返ってこなかったし、手数料の透明性も向上しなかった、わけだ。

でも例えばこれが日本に持ち込めるかというと、結果的に一部が大儲けすることに釈然としない人も多そうだなあ。どちらかというと行政を動かして介入してもらうって方向に行きそうな気がする。印象論だけど。これはどっちが良いとか悪いとかって話ではなく、より多くの人が納得する手続きが違うってことだろう。

こっちを選べばAさんが損する、あっちを選べばBさんが損する、っていうような問題に落としどころをつけるのっていうのは、絶対的な正解があるものじゃなく、最終的に全員がそれなりに妥協してそれなりに納得するってとこに落ちつく話だから、そこで文化や歴史の差っちゅうもんが出るのであろう。

Tag: 生活

Past comment(s)

T.Watanabe (2011/11/21 09:36:50):

文化や歴史の差は出でも良いのですが、そこに落ちるまでのプロセスが見えなくなっていると気持ち悪いですね。ツッコミようが無いですから。

shiro (2011/11/22 18:58:24):

よく「日本では本音と建前があって…」という話がありますが、アメリカでも本音と建前は使い分けられてて、時にはそのせいでプロセスが見えにくいことがあるのは同じなんですよね。ただ、アメリカの方が「オープンであること」への素朴な信仰というのかな、見せられるところまでは積極的に見せといた方が結局は味方が増えるじゃん、っていう考えが多い気がします。(対して日本は、見せないでいいものはとりあえず見せない方が敵を作らなくて済む、という傾向)。こうやって単純に括るのは危険ですが。

Hiro Yamamoto (2011/12/31 07:13:43):

私の所にも送られてきて何だか怪しい気がしていたのですが、解説ありがとうございました。わたしもアンケートのこと思い出しました。ちなみに同じく18ドルチョットです。

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