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2008/04/16

大学の勉強

黎明日記2008-4-16

しかし今の日本では、勉強を続けて某一流大学へ進学できたとしても、 授業でコンパイラを書くだけなのです。不思議!
「理想の子供」の話 - wiseler : WAR IS PEACE

えー! もっとこう、数学とかやらないんですか? 個人的に思っている大学の利点は、 数学と英語の勉強です。この二つは独学では結構難しい。 なぜなら、この二つは補助的なモノなので、どうしても必要な状況にならないと、 優先順位が低くなっちゃうからです。

私はかなり不真面目な学生だったのだけれど、 大学に行って良かったこと (面白い連中と知り合うとかキャンパス内に小劇場が あるとかではなくて、本来大学が提供している機能のうちで良かったと思うこと):

  • 実験のやり方をちゃんと教わった。 まあ、プログラミングだけだと実験と言ってもベンチマークとか シミュレーションとかなんであんまり特別なことはないかもしれないけど、 駒場の物理・化学実験では準備すべきこと、データの取り方、まとめ方など 一番基本的なところを教わったと思う。 本郷の電気電子工学実験は純粋に面白かった。
  • 数学の基礎をやれた。 Theoria氏の言う通り、特に具体的な応用に直接結びつかない抽象的な ところというのは、自分からはなかなかやる気にならない。 駒場の数学はあんまり面白くはなかったのだけれど、 専門に進んで電気電子に関わる具体的な問題を解く時になって役に立った。
  • 図書館 (学科図書室とか、OPACで検索して他大学に予稿集借りに行ったりとか)。 まあ今は論文とか学会誌の記事とかもネットで読めるようになったから あまり重要ではなくなったかもしれないけど。

一方、英語についてはあまり役に立たなかった。 私が駒場に居た時は文学作品を輪読形式でひたすら訳してくって 講義ばかりだったからなあ。何読んだかもほとんど覚えてない (カポーティの短篇を読んだのだけ覚えてる)。 この時期、趣味でペーパーバックを読みまくっていたことの方が むしろ英語習得には役に立ってると思う。

少し下の学年からは実用重視になったらしいけど、 本気で英語を使えるようにするつもりなら週数コマの講義じゃ 時間的に足りないと思う。講義の多くを英語でやって、かつ 一方向じゃなくてディスカッション中心にするとかでないと。 そういう大学もあるとは思うが、 駒場はまだ語学以外は日本語中心じゃないんかな。

ただ、英語だけでなくいろんな外国語の講座が開かれてたので、 第3外国語をいくつもつまみ食いしてて、 色々な言葉に触れるという意味では面白かった。身についてはいないけど。

で、上の引用部に「授業でコンパイラを書くだけ」とあるけれど、 大学学部で扱うトピックがさほど深いものにならないのはある意味仕方無いことだと思う。 深く突き詰めるには進む方向がある程度見えてないとならないんだけど、 専門分野ってのは先へ行くほど急速に広がっているんで、 学部くらいでは進む方向を定めることが難しい。 後でどっちにも進めるような共通部分の基礎固めをしようとすると、 あんまりエキサイティングでないトピックとか、 現実の問題との結びつきがピンとこない抽象的な話とかに なっちゃうんじゃないかなあ。

ただ、それは「大学側から提供するプログラムとしては、 あんまり尖ったものにできない」というだけであって、自分で やりたい方向のある学生がそっちに深入りして行こうと思ったら それなりのリソースへのアクセス手段が揃っているところだと思うよ、 大学は。

Tag: Career