Island Life

< Scheme Workshop | 外から見た東京 >

2008/05/09

天災

スルーしようかと思ってたけどつい。 ギフテッドの概念ってやっぱりあんまり理解されてないんかなあ。 (はてブで一人だけ指摘してるけど)。

偏差値80も偏差値20も、普通じゃないという意味では同じで、 普通の教育にはついてけないから、特別なフォローが必要ってことだよねぇ。 (別に普通が良いとか悪いとかじゃなくて、文字通りの意味で平均的なカリキュラムってこと)。 上の方に外れている場合でも、学校の勉強に意味を見出せなかったり 何を求められてるかわからなかったりして、傍目には問題行動取りまくりってことになる。

他人にIQ200であることを指摘されるのが呪いなんじゃなくて、 そういう特性を持ってしまったことが既に呪いなのだ。 才能は、それを使うスキルを身につけない限り、本人の身を滅ぼす (前にも書いた→20051125-curse-of-gift。 しつこいけど、David Morrelの "Orange is for anguish, Blue for insanity" はこのテーマにおける名作)。 あと、呪いと祝福は同じものの裏と表である。とスティーヴン・キングがどっかで 書いてなかったっけ。

そこまでひどく上の方に外れてない場合で、 授業を一切聞かずに勝手なことをしてても黙認してくれる先生に運良く当たり続けると、 特別扱いされなくてもサバイブできる場合がある。私は運が良かった。 小中高と授業にほとんど参加した覚えが無いんだけど(出席はしてた)、放任しててくれたからなあ。

あと、才能って本人のものっていうよりみんなのものって気がする。 全員全く同じ能力だと種としての生存が危ういでしょう。 集合体としての人類が、サバイバルのために遺伝子プールにバリエーションを 持たせてるって感じじゃないかな。

(追記2008/05/09 16:50:10 PDT: 能力の呪いと祝福という点については、キングの "Firestarter" に その風味があると思う。超能力ものという点では "Carrie" や "Dead Zone" と同系列に 見えるけれど、"Firestarter" では主人公の一人が「生まれながらに能力を持たされ」、 「幼年期に苦労してその能力を制御することを覚え」、 「思春期に(多少のうしろめたさを持って)能力を解放することを覚える」という 要素が入ってて、私はそれに単なるキングの純粋なイマジネーション以上のものを感じる。 つまり、キング自身が子供の頃から「書かずにはいられない」{呪い|祝福}をかけられて いたことが反映しているんじゃないかと。)

Tag: Career

Past comment(s)

guest :

アメリカではギフテッドのケアをしていると読んだんですけど、Paul Grahamのエッセイを見る限り、彼は公立校で苦労しているし、自分の子供が惨めな思いをしないか心配していますよね。彼くらい「スマート」でも、IQなんかのテストで良い数字が出てなければ駄目なんですかね。あるいは州によって違うとか。アメリカの実態がよく分かりません。

shiro (2008/05/20 22:16:27):

公立校は州毎どころか地域毎に状況が全然違うのです。 gifted教育ではないですが、特殊教育のケアについては 海部美知さんのブログに時々そのへんの 話が載っています。
また、gifted教育についてはケアがあったとしてもどこでも受けられる わけではなく、そういうケアのある教育機関(大学など)に通わせないとならないので 家族全体でコミットする必要があるんじゃないかと思います。 (私の知人の息子さんも14歳でUSCのプログラムに入ったのですが、 そのために大学の近くに引越していました)。 また、 自分の子供を「特殊扱い」することに抵抗がある親もいると聞きます。 なのでgiftedっぽい子供の全員が全員ケアを受けられるかというと全然そんなことは ないのでしょう。
ただ、「子供一人ががんばってもどうにもならない性質である」ということが周囲に 理解されてるだけでだいぶ違うんじゃないかなあとは思います。