Island Life

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2004/03/21

Paulの記事"The Other Road Ahead"を 翻訳した。 記事としては"Beating the Averages"と同時期で、ずっと前に訳しかけて 放ってあったのだ。しかし、改めて読んでみると、Webベースソフトウェアが ごく普通になった今でも、頷けるところが多く、多分参考になる人は多いんじゃ なかろうかと思う。個人的には、サーバベースソフトの開発と運用の くだりに、個人的な体験と重なるものが多く、思わず力が入った。

今回訳していて、自分にとって英語の原文を読むことと翻訳することは、 音楽を聞くことと演奏することみたいなものだと思った。 情報を得ることだけが目的なら、翻訳によって得られることは あまり無い。同じく、CDで他人の演奏を聴くだけでどんな曲かはわかる。 でも、その曲を咀嚼し、消化したいと望むと、やっぱり楽譜を入手して、 一通り弾いてみたくなる。たとえ完全には弾けないとしても。 その過程で、CDを聞き流すだけでは気づかなかった微妙な仕掛けや、 さまざまな解釈の可能性について知ることが出来る。 翻訳も同じく、英文を読み流すだけでは気づかなかった細かいところ を調べて感心したり(Paulの文にはいろいろな分野からの引用があり、 調べていて楽しい)、自分ならどう表現するだろうかを考えるところに 楽しみがある。

Tags: 翻訳, PaulGraham

Past comment(s)

cut-sea :

読ませてもらいました。メチャメチャ引き込まれますね。 他の文章もそうですが、読後はいつも興奮状態になります。

shelarcy :

確かに訳していれば読んでいた時に気づかないことに気づかされることが良くありますね。ところで、Robinson-Patman法制定の背景には規制を求めていた小規模小売業者に対する消費者の反発があったため、この法律は明らかなコスト格差という正当な理由が存在するかどうかに焦点を当てて、大口取引でコスト的優位が生まれるなら価格差別を行なって良いというものになっています。