2008/01/09
駒小
東大で学んだ卒業論文の書き方という 文章を読んでいた。いろいろな分野から引いてきた余談がまた楽しいのだが、 突然懐かしい話が登場した。
今思い出したが、東大には駒場小劇場というハコがあった。この劇場は駒場寮の中にあり、東大最強と言われた寮委員会が支配していた。外部からの統制は不可能であった。
寮委員会は、寮の美観や耐久性をすでに見切っていて、壊れる前に使い倒そうという方針があったように見えた。舞台に水を張って芝居をするなど、普通の劇場では絶対に無理なことが出来たらしい。
駒場にはアゴラ劇場があるし、下北沢や渋谷へは歩いていけるが、こういうハコは外には無い。
水を張ったのはTaBreという劇団だ。 この伝説の舞台は私が入る前(2〜3年前だったかな?)なので観てはいないが、 私が観た中でももっと他の劇場では絶対に出来ないだろうということをやってた。 ちょっと縁があって手伝ったり出させてもらったりしたことがある。
駒場小劇場が無くなって、今は学内の劇団は駒場小空間という小屋で公演を 打っているようだけれど、小劇場のころほど無茶はできないらしい。 もっとも、今も小劇場があったとして、同じような無茶を現役生に勧めたい かというと微妙な気もする。無茶というのは「止むに止まれずやってしまう」もので あって、その効用は認めるけれど積極的に奨励するようなものでもない。 というより、無茶というのは上の世代が想定した範囲を越えてゆくから 無茶なのであって、「わしも若いころはよくやったもんだよ」と年寄りが 言うようなことをなぞっても仕方がないのだ。今の世代は今の世代の無茶を やってることだろう。それが何だかは知らないけれど。
Tag: 芝居