Island Life

< Apple Mailの仕様? | らむ太語録 >

2009/01/26

仕事と専門性

学歴と職について - 言語ゲーム

進学出来ない人は悔やむ必要ないです。進学出来るかどうかは経済的な問題で、あなたの能力の問題では無いという事を社会は分かっています。

学歴があるのに専門職に就けなかった人は悔やむ必要ないです。どんな業界でも経験を積むと段々好きな事が出来るようになるので、いずれあなたの知識は役に立ちます。

いいことゆった。

ひとつの道を究めるとか、夢に向かって着々と準備をしてゆくってのは確かに 素晴らしいことだし、そうしなければ就けない仕事というのもあるにはあるのだけれど、 そういうのはそびえ立つ山の頂上みたいなもので、遠くから見て目立つけど、 たどり着ける人はごく少数だ。

世の中の仕事のほとんどはそういう輝かしいピークを支える山麓とか、 山頂と山頂の間の稜線のようなところにあるし、 ある程度登ってみて初めて見えてくる小さなピークもあちこちにある。 山頂に向かって一直線に進むばかりが人生ではない。 色々寄り道した人にしか出来ない仕事というのもあるはずだ。

寄り道が役に立つかどうかというのは事後的にしかわからないから、 分かれ道を前にしていくら悩んでも結論は出ないだろう。 結局は、自分の心のままに選ぶしかないんじゃないかと思う。 とりあえずわからなかったらPaul Grahamが言うように「風上に進む」ことか。

ただ、どんな仕事も麓から見上げているだけでは手前の丘と その向こうにある白い頂しか見えない。それだけを見ていると選択肢がとても少ないように 感じられてしまう。その間に隠れている無数の高原やピークを見つけるには、 ある程度登ってみないとならない。

一般的な指針として、その専門の業界内で報酬をもらえるくらいまでは 突っ込んでやってみるのがいいんじゃないだろうか (分野によっては「報酬を得る」ということ自体が難しい場合もあるが、 数年くらいは真剣にやってみるということ)。 一生それだけで喰って行くことはできないとしても、 業界の内部から見ることで、本当にてっぺんで仕事をするとはどういうことかを 見る機会も得られるかもしれないし、周辺にある仕事も見えてくる。 そうすると一気に選択肢が広がるし、全く新しい道が見えることもある。 そして、そのくらい真剣にやって身についたものは いずれ何かしら役に立つかもしれないし、 一緒に取り組んだ人々からは色々な人生の見方を学べるだろう。 少なくとも、麓から頂を眺めるだけで過ごすよりも得るものは大きいんじゃないかと思う。

(追記2009/01/27 23:00:14 PST: 役者というのは「あらゆる人生経験が何らかの形で役に立つ」 という意味ではかなり間口の広い職種である。ただし需要が限られているので それで喰って行くことが難しいのが困りものだ)

Tag: Career