Island Life

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2010/09/27

ハリウッド式?

池田信夫blog : ハリウッド化するIT産業

中島氏もいうように、アメリカのソフトウェア技術者はスポーツ選手や芸能人に似ている。才能のあるスターを何人もっているかで競争力が決まるので、IT企業はハリウッドのスタジオのような専門家集団になる。その中心はエンジニアやプロデューサーのようなクリエイターで、ホワイトカラーはスターをサポートする芸能マネジャーのような存在だ。

ハリウッド式にしたいなら、まず強力な労働組合を作らなくちゃ。企業単位ではなく、企業横断的な、職能単位のギルド。プログラマならプログラマでひとつのギルドを作る。

企業はギルド加入プログラマと契約する際には、ギルドの集団交渉で決められた待遇 (賃金とか労働時間) を保証しないとならない。その待遇は下限保証なので、高いスキルのある人材ならより高い待遇にしないと引っ張ってこれないだろうけれど。

一方、ギルド加入プログラマは、ギルドの掟として、上記のルールを守っている企業としか契約してはいけない。仕事が無いからといってダンピングしたら、除名処分になる。

企業もまた、こっそり非ギルドプログラマを安く雇ったりしてはいけない。そういう行為が発覚した場合、ギルドは包括契約を盾にその企業にいるギルドプログラマを全員引き上げる。 不公正な業界慣行を改めさせるためには、ギルドはストライキも辞さない。

まあプログラマは役者や監督や脚本家ほど属人性が高くないから上のギルドのようなスキームは多分うまくいかないだろうけど。引用エントリの「IT業界がエンターテインメントに近づいてるからハリウッドのようになる」っていうのはかなり無理のあるアナロジーだと思った。単に「ハリウッド」のイメージがキャッチーだから引っ張ってきただけなんだろうなあ。


(追記2010/09/29 10:15:46 UTC) http://twitter.com/monjudoh/status/25862604672

ギルドで労働者側の待遇の下限保証ができるとして、企業側の労働者のスキルの下限保証も出来るのかな?純粋に疑問。 "Island Life - ハリウッド式?"

ハリウッドのアナロジーで考えるなら、企業側は必要なスキルを持つ労働者しか雇わないってこと。ギルドは「契約が成立した場合」の待遇保証はするけれど、「契約が成立すること」については保証しない。

もちろん、必要なポジションに対して十分な応募者があることが前提。役者になりたくて、そのために自力でスキルアップを惜しまない人はたくさんいるので、ハリウッドではこれが機能している。ということは、プログラマを憧れの職業にすれば、ハリウッドみたいにできるかもね。

Tag: Career

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