2011/03/16
スモールビジネスと継続性
ハワイに来て最初に契約したISPは地元企業のlava.netで、 DSL回線をVerizon(今はHawaiian Telcom)に切り替えた後も メールはlava.netアカウントに集約している。 価格比較で一番安いってわけではなかったけれど、 いわゆる「顔の見える」地元企業ならではの安心感があった。 トラブってサポートに電話しても、 「うちLinuxからつないでるんだけど」 と言えば話のわかる人がすぐ出てくれる、とか。 (確か契約した頃は "no busy signal" ポリシーとか言って、 自社のキャパを越えないように契約数を制限してたと思う。 そのへんも好感ポイントだった。)
てなわけでメール関連の設定はかれこれ十数年ほとんどいじらずに済ませてきた。 ダイアルアップがDSLになり、さらに他社回線を経由するようになってからは lava.netのシェルサーバにsshでトンネル張るようにしたくらい。
それが、数日前にpop.lava.netにつながらなくなった。 しばらく前にシェルサーバを新しくするよ、というお知らせが来てたので それかなと思いssh先を変えてみたがやっぱりつながらない。 サポートページを見に行ったらサイトデザインががらりと変わっていた。 別の企業に買収されたそうで。 お知らせのメールが来てたのかもしれないが気づかなかったなあ。
メールに関しては先月から既にgmail for businessに移行してて、 {pop,smtp}.lava.netは単にブリッジしてただけらしい。改めてgmailの方に 直接つなぐように設定を変えた。
でも、gmailのアドレスとは別にlava.netのアドレスをキープしてたのには 冗長性という意味もあったんで、両方ともgmailのインフラに乗っちゃうんじゃ lava.netをキープする意味が薄れたなあ。 昔のWebページがあるからすぐにアカウントを消すことはしないと思うけど。
まあ、小さな企業としては自社でいろんなサービスを維持してくよりは、 汎用的な技術インフラにSaaSを利用して、自分のところは自分達でしか できないこと(技術コンサルとか)に注力するというのは正しいだろう。 今時、汎用的なインフラで大企業にコスト的に太刀打ちできないだろうし。 ちょっと寂しくはあるが。
関わりのあるローカル企業の買収ということで言えば、最近もうひとつ。 役者として契約しているローカルのエージェントが、もう少し大きなネットワークを 持つエージェンシーの一部門になっていた。 前からやっていた人は今でもその部門長として残ってるけど、 組織改変時にちょっとごたついて不信感を持ったので、 別のエージェントを探そうかと思っている。
何でも継続してゆくのは難しいことだけれど、 スモールビジネスの場合、少数の同じ面子でずーっと回していかないとならないわけで、 変化の激しい業界で10年、20年といったスパンを考えるのはさらに難しい。 同じことを続けてたら取り残されるし、変化に追いつこうにも産業構造が変わったら かつての自社の強みが強みにならなくなる。 ビジネスオーナーとしては、自分がやる意味が薄くなってきたところで 適切な値段でビジネスを売れれば成功と言えるんだろうけれど、 人に対して魅力を感じてた顧客にしてみれば寂しい話だなあ。
短期の仕事で食いつないでる身としては、 継続的な契約による安心感ってのにはすんごく惹かれるんだけど、 それによる縛りで「身軽さ」が失われるのは怖い。 でも人を雇って大きくするにはある程度あてに出来る継続性のある事業が必要だし、 どのへんでバランスを取るべきか迷う。
Yuumi3 (2011/03/17 03:02:28):