2011/08/03
演者のエナジー (ピアノレッスン10回目)
今日もコンサートグランドでちょっと弾かせてもらう機会があり、 ラフマニノフの前奏曲Op23-5とカプースチンの練習曲Op40-2をリベンジ。 前回よりはかなり落ち着いて弾けたけど、まだ浮わついててミスが多い。
環境の違い、特に音の違いで集中力が削がれる、というのが大きいと感じた。 pでの音の出方がだいぶ違って、カプースチンの2番は冒頭からしばらく pで速いフレーズが続くものだから、調整しようとすると曲の方がすぽんと抜ける。 ラフマニノフの方はpで初めてもすぐ盛り上がるんで調整が楽。だけど中間部の 左手のアルペジオで同じような困難が。
「上がる」ことについて先生が面白い表現をしていた。 演奏のエネルギーが弱いと、環境に影響されて上がりやすい、というのだ。 これは芝居の経験からも、なかなか的を射た表現だと思った。
核になる表現がしっかりと根付いていればいるほど、外乱に対して 動揺しないし、また環境の変化に追従する余裕も産まれる。
たぶんエネルギーにも種類があって、どこで弾いても確実に同じように弾ける強くて固い エネルギー、観客の微妙な反応とうまくインタラクトして毎回違う演奏/演技を 見せられるしなやかな強さのエネルギー、などがあるんだろう。後者を目指したい ところだが、今はとりあえず少々のことで動揺しないだけの基礎体力をつけないと だめだな。
で、そういうのを鍛えるには、strangerに聴いてもらう機会を たくさん作るしかないとのことだ。 やっぱそうだよなあ、芝居も観客がいてナンボだからなあ。 先生の知人には、家の前を通りかかった見知らぬ人を呼び込んで 聴かせてたって強者もいるらしい。
演者のエネルギーという点では、芝居のノウハウを流用できるかもしれない、 という気がしている。マイズナーテクニックを学んでから、演奏にも 似たような手法が使えるかもしれないと思ってきた。マイズナー言う所の "text is a canoe" と同じように "notes are canoe" と言えるのではないか。
あと基礎練習はスケールが138のまま、アルペジオは132まで上がった。 重三度スケールはMM=48でE♭minorまで練習してるけど、(53)-(31)で小指を 越えるところがきつい。特に5が黒鍵で次の3と1が白鍵の時。
(追記 2011/08/05 11:46:35 UTC): 考えてみれば受かる当てが薄くても継続的に オーディション受けてるのは「見られる感覚」を忘れないようにするためで、 ピアノについても同じ姿勢でいる必要があるというのは当然かもしれん。 あと、スタニスラフスキーの "Public Solitude" がピアノでの 上がり防止/集中維持にも使えるだろうか。演奏は観客に向けてaddress されねばならないとするとちょっと違うか。考えてみる。
Tag: Piano
まるこまる (2011/08/06 02:45:33):
shiro (2011/08/06 07:51:42):