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< Milwaukee protocol | 模範解答と過剰適応 >

2012/07/27

その例えはどうか

本論ではなく枝葉の部分なんだけど。

ビジネスマインデッドな行政官について(内田樹の研究室)

国会で「アメリカの州になります」と議決すればいいのである。

ハワイもテキサスもそうやって州になった。

日本が米国の51番目の州になるには、って話だけど、いや、国会で議決したってなるとは限らんでしょ。

ハワイが州になるかどうか決めた時には、既にハワイは米国自治領だったんで、州になるかどうかはその時点では国内問題。難しいのは州になるかどうかよりも、米国の一部になるかどうかという話の方。

で、もともとハワイが米国自治領になったのは、米国人地主がサトウキビの米国本土への輸出で他国との競争を有利にするために関税を避けたかったから (もちろん他にも色々な要素があるけど、関税の問題が大きなきっかけだった)。それでクーデターまで起こしてハワイ王朝を転覆させハワイ共和国にして、「さあ米国に併合してください」と言ったんだけど、連邦議会は承認しなかった (併合には2/3の賛成が必要だがそれに至らず。何度か提出しては否決されてる)。

数年後、米西戦争が勃発して、ハワイが太平洋でのスペイン植民地に対する戦略的拠点として重要になった時にどさくさにまぎれて併合が承認され、ハワイは自治領になる。

とうわけで確かにハワイが州になったのには経済的理由があるけれど、クーデターも戦争も忘れて「経済的合理性を追求したら州になるのがよい」という論にハワイを持ち出すのは、あまり筋の良い例えじゃないだろう、と思ったのだった。

Tag: Hawaii

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