Island Life

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2012/10/06

Quidam

Cirque du Soleilの "Quidam" がホノルルに来ているので、子供と観てきた。

"Quidam" はツアー開始の年に、Santa Monica Pierで観る機会があった。 米国に移り住んだ最初の年で、週末毎に海岸沿いにSanta Monica までインラインスケートで往復していたのだけれど、 ある日突然、ピア脇の駐車場に青と黄色のストライプのでかいテントが出現した。 好奇心のままに当日券を買ってステージを観て、わしっと心を掴まれてしまった。 ツアーがSanta Monicaにいる間に何度も観に行った。 ツアーが去った次の週末、テントが無くなり妙にぽっかり開いたスペースを見て あの全てが夢幻だったような不思議な感覚にとらわれた。実際、生の舞台というのは その瞬間瞬間にしか存在しない儚いものだから、テント公演は舞台の本質を反映している。

あれから実に16年。パフォーマーは次々と入れ替わっているだろうけれど、 ひとつのショーを16年続けるってのはすごい。 ずっと色褪せないってことだから。 それだけ普遍的であり、上演作品としての完成度も高いってことだ。

16年ぶりに観たQuidamのステージには、やっぱり魅了された。 かつてのように心を持ってかれることは無かったけれど、 なぜあんなに心動かされたかが良く分かった。

生のステージの、ひりひりするような緊張感だ。

繰り出される技の数々については、もう知っているので、おお、という驚きはあまりない。 それよりも、ジャンプのきっかけを待つパフォーマーの一瞬の表情、 タイミングを合わせる目配せ、視界の外で互いがそろそろと手を伸ばして触れ合う一瞬、 そういうとこがたまらない。

あるいは、メインのパフォーマーが空中で技を繰り広げている時に、 背景で静止していたり、ひたすらくるくる回っている演者達。 以前何度も通いつめたのは、そういったディテールを全部観たいと思ったからだった。

やっぱり舞台は良い。

Tags: 芝居, 表現

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