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< 目的のために必要なことに資源を振り分ける | ピアノレッスン106回目 >

2013/09/13

アメリカ人とアクセント

ヨーロッパに比べて、US出身の人は訛りに非寛容ではないかという話を読んでふと思った。

USでは、日本に比べて、音声会話により多くの非言語情報を載せているのではないか、なんてことを以前ちょっと書いた (オーディオブックとオーラルコミュニケーション)。

例えば初めての人と、「電話で話す」/「対面で話す」というケースを考えたとき、 対面の方がよりその人を知ることができるってのは (受け取れる非言語情報の量が多いので)当然なんだけど、 では電話だとどのくらい「知ることができる」感じが減るか。 そのギャップが、USの方がかなり少ないんじゃないかと。

採用面接を電話越しにする、って言ったら 日本だと「それじゃ相手のことがよくわからない」って思う人が多いんじゃなかろうか。 (今は変わりつつあるのかな? でもネットでは 就活で交通費が大変だなんて話をまだ目にするからなあ。 USだと電話面接で人数絞った後は、会社が交通費を出して対面面接に呼ぶ。)

日本では、 「自分はどういう者であるか」とか「自分と相手との距離をどう見積もっているか」なんて情報が 敬語や挨拶の体系にプロトコルとして埋め込まれているように感じる。 US英語だとそういうプロトコルが無い分、声の調子に多くの情報が載るのかもしれない。 例えば「命令形+please」って文、言い方によって「絶対的上位からの強い命令」にも 「弱い立場からの懇願」にもなる。 言い方によってニュアンスが変わるのはどの言語でもあるけど、 日本語なら言葉自体を変えるだろうな、と思えるくらいの幅の広さを調子の方に含められているように思う。

で、アメリカ人が訛り(アクセント)により敏感なのだとしたら、それは アクセントに、発言者の出自 (出身地や階層) を伝える有力な手がかりを探そうと してしまうからかもしれない。

あと、この議論をする時に、 日本の感覚でいう「訛り」とUSで言うaccentはちょっと印象が違うことに注意が必要かもしれない。 日本では、1〜2世代くらい前はともかく、TV普及後育った世代では、「共通語」という基準があって 「訛り」といったらそこからの逸脱という感覚があるんじゃないかな。 USでも一応ニュースキャスターとかが喋る general american accentというのはあるんだけど、 これは目指すべき理想の発音というよりも「中立な、色のつかない」発音のためのものという印象。 人口の多い大都市圏はそれぞれの地方のアクセントで喋ってるので、 general american accentを喋らなかったら田舎者だって感覚はあまりない、と思う。 (「田舎のアクセント」というのが無い、というわけではない。メジャーなアクセントと マイナーなアクセントがあるけれど、正しいアクセントというのはない、ってこと。)

Tag: 英語

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