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2015/09/24

型と自由

Michael Chekhovの演技テクニックを学ぶワークショップに参加した。 (Michael Chekhovは劇作家のアントン・チェーホフの甥)。 なおチェーホフは英語ではチェーコフ。 「チェーホフの」だと英語ではチェコヴィアン。 チェコヴィアン・テクニック、なんかかっこいいぞ。

Chekhovian techniqueとして有名なのは psychological gestureで、それについては聞き齧りというか読み齧りで 芝居の時に自己流で応用しようとしたこともあったんだけど、 習ってみると思ってたのよりずっと具体的な話だった。

基本的には動きから入るテクニックで、 動きによって生じる内面の変化を発見してゆくんだけど、 掴みどころのない「動き」をあるレイヤでざっくりと分類しちゃう。 例えば「動きの質(quality of movements)には4種類ある。flowing, molding, flying, radiatingだ。ではそれぞれやってみよう。」ってな具合。 あるいは、「動きの中心は3つある」とか。

可能な動きなんていくらでもあるのにその4つの質だけに注目するんでいいのか、 とか思うわけだけど、実際にやってみて、さらにそれを他のレイヤと組み合わせて 応用してゆくと、なるほど、と思えた。

動きのある一面に名前をつけてそれに集中する訓練をしておくと、 いつでも名前によってその動きおよびそれにまつわる身体状態を呼び出すことができる。 動きの道具箱を揃える感じだ。それぞれの道具がきちんと身につけば、 今度は道具の組み合わせを自分で制御することにより、いくらでもバリエーションを作り出せる。

そこをすっ飛ばして感覚だけでやっていると、ある時うまくいったとしても それをいつでも再現できるとは限らない。なぜうまくいったのかの分析もできない。 名前をつけて分類してしまうことは、一見他の可能性を切り捨てて 制約をきつくするようだけれど、 むしろそれが自由に表現するための基礎となる。 空間を基底ベクトルに分解したらそれによって全空間が表せる、というようなものか。

psychological gestureにしても、既に種類が決まっていて、 コーチによっては具体的な動きのパターンさえ決まっているのだそうだ。 今回の講師の流儀では動き自体は各自のイメージでokだったが、 「全く同じ動きをいつでも再現できること」が重視された。

これは、武道の型にも似てるかもしれないと感じた。 再現可能な道具を身につけること、 それと、決まった型を繰り返すことにより、動きの周辺の情報に気づくことができるということ。

  • Centers
    • Thoughts, Emotion, Will
  • Quality of movements
    • Flowing, Molding, Flying, Radiating
  • Feels
    • of Form, of Ease, of Whole, of Beauty
    • form has beginning, action, and end. important to sustain after action. do not lose ease.
  • "Three sisters"
    • Flying, Falling, Balance - a character is always in either one of these states.
  • Psychological Gestures
    • Open, Close, Push, Pull, Lift, Smash, Tear, Penetrate, Embrace, Wring, Throw
    • polarity

Tags: 芝居, Chekhov

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