< せりふを覚える | 子供と読む児童文学 (小5編) >
2017/04/05
「『日本人の英語』は難しすぎる」への反応
マーク・ピーターセンの『日本人の英語』についてこんなエントリを見た。
同書は大学生の時に読んで目から鱗体験をした。良い本だと思う。このエントリについては特に言うことはないんだけど、このエントリに対して次のような反応が結構あることが気になった。
冠詞の有無とか間違えたって文脈で通じるよ。こういう細かいこと気にしてるから日本人は英語苦手なんだよ。
これは全くその通りで、日常の生活や仕事上の会話程度ならこういうことを気にするより間違いを気にせずにどんどん喋る方がいい。目的が、生きてゆくことや仕事を終わらせることであれば、通じさえすれば何だって良いのだ。
ただ、同書が対象にしているのは、そこよりもっと先に行きたい人、映画を見たり小説を読んだ時にニュアンスを含めて深く理解したいとか、他人に読んでもらえる文章を書きたい(小説を書くとかだけでなく、たとえばプロポーザルの文章を書くとか)、といった人だと思う。
こういう、「日常会話では気にしなくても通じるような細かい文法の知識」が実際に意味の理解に影響を与えるという話は何度か書いた気がする。例えば:
- 冠詞: 冠詞の有無で台詞に矛盾がでちゃう話
- Google翻訳と下訳: 原文の単数形と複数形の使い分けのニュアンスを汲み取ることで理解しやすい訳文にするという話
あと、これは興味深かった。"the"を入れることが差別的な響きをもたらすという例:
Tag: 英語
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