Island Life

2019/09/14

眼鏡のつると3Dプリンタ

以前、眼鏡のつるが折れた時は金属部分だったので、1.05mm径の穴を開けて鉄線で修理したのだった(もう5年前か)。 その翌年だったか日本に行った時にフレームを新調したのだが、かれこれ4年。先日またぽきりと折れてしまった。

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こちらから交換パーツを入手する手段は無さそうだし、 直すにしても固定が難しそうだ。 なので早々に諦めて新しい眼鏡を注文したのだけど、その後で眺めているうちに、3Dプリンタで固定具が作れないかと考え出した。

うちのda Vinci Jr.はそんなに精度が出る機械じゃないのでサブミリ単位の加工は多分無理だろうと思いつつ、まあだめもとで、と作ってみたら案外しっかりと固定できてしまった

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この写真は仮止めの時だが、ただはめ込んだだけでも実用に差し支えない程度に止まっている。 力をかけるとややぐらつきがあったので0.05mmステップでモデルをいじって何個かつくり、 最終的にほぼぐらつかないパーツができたのではめ込んだのち接着剤で固定した。 材質(PLA)自体がそれほど強くないのでそう長くは持たないだろうけど、 新しい眼鏡がきたらこっちを予備にできる。 表面も完全にスムースではないけれど、廉価版のプリンタでこんだけできるなら上等かな。


将来のためのメモ。このサイズ(外側6.0mm×4.0mm、内側は細い方が3.5mm×2.7mm) でそこそこ綺麗に出すためのパラメータ:

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色々試したが、Detail Threshold 0.02がわりと決め手だった。これがデフォルトのままだとLayer heightを0.1mmにしても表面がざらつく。Detail Thresholdを0.01にするとエイリアシングみたいな変なノイズが乗ってしまった。

あと、中空なんで縦で成形したんだけど、肉厚が薄いせいか下の方1mmくらいがちょっと膨らんだ感じになるのでそこは成形後に切っている。


今回、フィラメントのloadingでトラブったのでそれについてもメモしておく。

loadしようとしてもノズルからマテリアルが出てこない。 ノズルをクリーニングしてみたが効果なし。 extruderを外してフィラメントの切れ端を上から突っ込んでみると、 途中で何かにひっかかって止まる感触がある。

extruderのカバーを外してフィラメントを入れてみると、 写真の楕円で示した部分で止まる。

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ノズルとヒーターを外してみると、写真の部分に一度溶けて固まった フィラメントのくずがたまっていた。特に固着してはおらず、ペンチで簡単に取れた。

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Tag: 生活

2019/08/30

Iris Klein Acting Class

Iris Klein氏による2週間のアクティングクラスを受けていたのだがとても良かった。

http://www.actingclassnow.com/

1週目はマイズナーの基礎: Repetition、Independent Activity、Improvisation (Scott RogersのクラスでEmotional Preparationと言っていたものの応用)、 それからActioning。

2週目はオーディションマテリアルを使って、2日かけてブレークダウンし、2日かけて撮影。

  • マイズナーから直接教わっていただけあって、マイズナーエクササイズのガイドが非常に的確。Repetitionにおけるtruthとはこういうことか、というのがはっきりわかった。
  • 前半のエクササイズも後半のシーンワークも、一人もしくは一組づつやるのをみんなで観る、という形で、他の人がやっているのを観ることから学ぶというのが大きいことを実感。
  • 一つのマテリアルをとことん分析できたのも良かった。今回、最初のブレークダウンで 決めたobjectiveがやってみるとうまくいかなくて、さらに考えて別の発見があった。

Tag: 芝居

2019/07/27

SAG-AFTRA conservatory: Voice Acting

今日のSAG-AFTRA ConservatoryはVoice actingで20年近いキャリアを持つTara PlattさんとYuri Lowenthalさん夫婦が講師。おもしろかったー

このお二人、とにかく喋る喋る。しかも二人同時に喋る。でもちゃんと肝心なところは重ならずにちゃんとわかる。しかし間を合わせてる様子が全くない。めいめいが好きなように喋っているようにしか見えないのに重ならない。すごい技だった。

さてvoice actingについてはこれまで聞いてきたことを裏付ける内容だった。

  • Theatre actingの訓練は前提。発声発音だけでなく、脚本分析、キャラクタビルディングなども同じ。声に特有のテクニカルな事情はある (マイクの前を離れられない、など) がそれは慣れの問題。
  • 「声優に向いた声」というのはない。どんな声質も個性であり、それに向いた役があるはず。必要なのは自分の声質を把握し、それにフィットする仕事を探し出すこと。
  • 様々な声を使い分けられるとか声を作れるというのは表面的なこと。まずは自分の自然な声を把握し、そこにバリエーションを加えて表現力を増やしてゆく。
  • 声の表現に敏感になること。普段から様々な声を聞いた時に、その声を聞いて自分は何を感じるのか、そう感じさせるのはどの要素によるものか、を分析する。
  • 声の仕事は芝居やカメラの仕事よりもさらに、事前に与えられる情報が少ない。自分の台詞だけが渡された場合は相手の台詞を想像しなければならない。キャラクタの背景が無ければ自分でobjective、obstacleを設定する必要がある。しかも当日にならないと最終脚本がわからない場合があるので、現場で一読してすぐchoiceを決定し演じられるように普段から準備しておくこと。

Tags: 芝居, SAG-AFTRA

2019/07/19

創作活動って自分を晒け出さねばならないところがある。映画や芝居など協同で何かをつくる時には、したがって、お互いが単にスキルを提供するだけでなく、普段は隠すような自分のコアな部分を、少しでも共有することになる。どんなに小さな役割でも、「その人にしか出来ない何か」が創作物の大釜に投入されていって、反応し合って作品が出来がある。一緒につくると、不思議な連帯感が生まれる。ハワイだとʻOhana と言ったりするんだけれど。人生の一部が互いに織り込まれてしまうというか。

なので、そうやって関わった人を失うと、たとえその人とプライベートで特に親しくなかったとしても、自分の人生のその部分が抜け落ちたような感覚にとらわれる。自分の人生のその部分には、他の誰でもない、その人が必要だったから。

京都アニメーションの事件は、だから、事件に遭わなくても仲間が巻き込まれた、という方々への影響もとても心配。

2019/06/20

ループを使わずに1から100まで

「ループ、再帰、gotoを使わずに1から100までを印字するC++プログラムは書けますか?」へのIchi Kanayaさんの回答 で紹介されている Conner Davis 氏の解がおもしろい。

1000/(999^2)を計算すると、

0.001002003...099100101...

というふうに小数点数以下3桁ごとに001, 002, ..., 099, 100 が現れる。任意精度演算ライブラリを使ってそこで表示を打ちきれば題意を満たす。

Gaucheは多倍長整数演算は組み込みで持っているが、任意精度の小数を計算するライブラリはついてこない。ただ、有理数で計算してスケールすることはできる。

あと、formatにはn桁ごとにコンマを入れる機能がある (桁数および挿入文字は指定可能)。なのでこうするとまるで1つづつ計算してるかのように:

gosh> (format #t "~399,'0:d\n" (floor (* (/ 1000 (square 999)) #e1e300)))
001,002,003,004,005,006,007,008,009,010,011,012,013,014,015,016,017,018,
019,020,021,022,023,024,025,026,027,028,029,030,031,032,033,034,035,036,
037,038,039,040,041,042,043,044,045,046,047,048,049,050,051,052,053,054,
055,056,057,058,059,060,061,062,063,064,065,066,067,068,069,070,071,072,
073,074,075,076,077,078,079,080,081,082,083,084,085,086,087,088,089,090,
091,092,093,094,095,096,097,098,099,100
#<undef>

(フォーマット指示子の399,'0のところは、冒頭に00を置くため。)

Tag: Gauche

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