Island Life

2010/05/06

日本の生活の質

日本で何年かスタートアップをやった外国人による分析。 あんまり突っ込んだ話は書いてないけれど、このくだりは 著者の実感が滲み出ている感じがしておもしろかった。

The quality of life and the level of comfort is insanely high in Japan. This can mean that once you're living in Japan, it can be hard to leave. After what I think is a 5 year threshold, it becomes increasingly hard to leave the comfort-zone of Japan. This comfort is a double-edged sword: While it upgrades the quality of your life, it can also take away your ambitions and make you lazy. I've seen the latter happen to many foreigners around me.

insanelyってとこが特に。

今の日本の状況についてはいろいろ言われてるけど、 おおまかに見るとやっぱり「成功しちゃった」っていうことなんだろうなと思う (それ自体は良いことだけど)。 この先その成功の果実を保持できるかというと色々やばそうだけれど、 さりとて今回ってるシステムは一種のローカルミニマムに達しているので、 どこをどういじっても今のcompfort levelが下がっちゃう可能性は高い。

だからこっから変えてゆくのは難題であることは間違いないけれど、 かといってやたら悲観的になったり危機感を煽ったりすることも 無いんじゃないかとは思うんだけれどね。

たぶんcomfortabilityを求める人にはこのローカルミニマムから 抜ける道を見つけるのは難しい。けどcomfortableであることに 落ち着かなさを覚える性格の人ってのは常にいて ("uncomfortable to be comfortable" な人だな。ちなみにアクティングクラスで、 役者は "be comfortable to be uncomfortable" でなければ ならないと教わった)、時代の要請があればそういう人たちが 活躍するようになるんじゃなかろうかとのんきに思っている。

追記2010/05/07 07:40:04 UTC: 引用元のブログのコメント欄おもしろいな。 twitterとかhacker newsとかでmentionされてるのを自動的に 拾ってきてるみたいだ。

それと、今日の自分のエントリのurlの名前のつけかたがおかしいのに 気づいた。qol-of-lifeってなんじゃい。gnu is not unixと同じ 再帰的定義なんです。ということにしておく。

2010/05/05

非同期リリースノート

新しいアイディアは、実装してしばらく使ってみないと本当に 使い物になるかどうかわからない。Gaucheにも、そうやって unofficialに実装されている機能というのは結構ある。 時には実装してから仕様を最終的に決めるまで何年もかかることがある。 ほんとうにそれだけ時間が必要というよりも、 決めるのを先延ばしにしているうちになんとなく時間が過ぎてるって感じなんで、 これまではリリースが近づくと未公開機能をひとつひとつ見直して、 いけそうなものは仕様決定としてドキュメントする、というふうにしていた。

以前にリリースの効用について書いたことがあるが、 リリースするつもりでちゃんとドキュメントを書くと 仕様上の穴が見えてくるので、一貫した設計を保つのにとても役に立つ。

ところがGaucheのリリース間隔が広がってきて、この「リリースが近づいたら 見直し」というのがうまく動かなくなってきた。 見直しに入るまでに未決定の仕様が大量に溜まってしまうのだ。

危機感を覚えて、少し前から Gaucheの開発ブログを 立ち上げて、次リリースで公開する予定の機能について先行して 記事にしてゆくことにした。これは思いのほか役に立っている。

マニュアルほど正確な記述ではないけれど、ちゃんと説明しようとすると その過程で穴を見つけたりより良いアイディアを思いついたりする。 ブログが非同期にリリースノートの役割を果たしてくれているようだ。

例えば、モジュールのインポート時にプレフィックスをつけたり リネームしたりという機能がtrunkには入っていて、 Import options: part oneで説明したのだけれど、 この記事を書き始める時点ではrenameの実装にまだ詰まっていた。 とりあえずprefix, only, exceptは動いているのでそれだけでも記事にしようと 説明を書いているうちに、prefix, only, exceptの実装を簡単にするだけでなく renameも簡単に実装できる別のアイディアを思いついた。

アイディアは宝石ではなく草の芽みたいなものかもね。倉庫の奥に 大事にしまっておいても枯れるばかりだ。陽に当てるとどんどん成長して、 さらに新たな芽が出てくる。

Tags: Programming, ものつくり

2010/05/04

らむ太語録

少し前にこんな会話があって:

  • らむ太: ねえねえ、これなあに?
  • かみさん: 耳飾りよ。

らむ太は「みみかざり」ということばをおぼえた!

さっそく応用するらむ太。

  • らむ太: (かみさんの靴の模様を指さして) ねえねえ、この「あしかざり」なあに?
  • らむ太: (私のTシャツの胸のロゴを指さして) ねえねえ、この「おっぱいかざり」なあに?

Tag: 生活

2010/04/29

バグハンターg新部さん

『俺の名はg新部、宇宙一のバグハンターだ---ビットの宇宙を舞台にした、アドベンチャーヒーロー物語』

この間、g新部さんにGaucheのstrict aliasing違反のバグを 突き止めて頂いたのだが、その裏では他にも色々すごいバグハンティングの エピソードがあったそうだ。

4番目のforkとthreadとキャッシュ絡みの話題はこちら。これはすごい。

印象だけで言うと、forkのメカニズムは当初はとてもうまいhackだったと思うけれど、 スレッドが一般的になっちゃった今となっては色々forkが足を引っ張ってる 気がしないでもない。

自分以外の全スレッドを止めるシステムコール、みたいなのが あるといいのになあ、とも思うけれど、プロセスから生きてるスレッドを 効率良く辿るのが面倒だったりするかな?

Tag: Programming

2010/04/26

Mystery and recovery stories

Hacker News にいくつか とても面白いシステム話が出ていた。

これは前にも読んだことある。Chatonかなんかにリンクを貼ったかも。 でも改めて読んでも面白い。

「宛先によってメールが届いたり届かなかったりするんだ。 ざっと調べてみたところ、どうも500マイルちょっとまでは届くんだけど そっから先は駄目なんだ」という電話を受けたシステム管理者の話。 落ちも悪くないけどディテイルがいいんだな。到達距離を 調べたユーザがgeostatisticianだとか。 FAQも参照。

上のHacker Newsのスレッドで語られたミステリ。 定期的にデータベースサーバがタイムアウトする。原因不明。 しかし、少し離れたところにある倉庫から荷物が運び出されると サーバが復帰し、運び人が戻ってくるとサーバがまたタイムアウトする。 別にケーブルが倉庫の中を走っててトラックがふんづけてたとか そういう話じゃないよ。こりゃわからんよなあ。

これも前に読んだことあったかなあ。新米のシスアドがrm -rf / しちゃった システムでのdisaster recovery。今と違って、替えのディスクを 持ってくるとかシステムを再インストールするとかがかなり大掛かりで 時間を喰う作業だった時代。つまり、それらの手を使わずに、 ほぼユーザ領域だけしか残ってない (/binも/etcも/devも消えた) 状態から いかにして復帰するかって話。

ここまで窮地に追い込まれたことはないけど、viも使えなくなって edで何とかしたって経験はある。あれは何でだったかなあ。

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