Island Life

2008/06/04

obsolete - 黎明日記:

オーブン PC の時も思ったんだけど、私は生まれてくるのが二十年遅かった……気がする。

どの世代も、上の世代の昔話を聞いて、そう思って来たんじゃないかなあ。

上の世代が未知の荒野を開拓した冒険談を聞いてわくわくして、 でもかつての未知の荒野はすっかり開発されつくして高速道路が 通ってることに気づき、がっかりする。

でも、住宅地図を片手に未開の荒野を冒険しようって人はいないよね。 わくわくする冒険は、どの時代でも常に、地図の外側の領域にあるんだから。 20年前のわくわくは、やっぱりその時代の整備された領域の周辺にあったはずで。 創造の空間には物理的な限界がない。これからの人たちにとっても、 やっぱりマージナルなところにわくわくはいくらでも転がってるんだと思う。

(ただ、Paul Grahamがハッカーと画家で言ったように、 新しいメディアの主要な可能性というのがメディアが出現してから 数十年のうちに探索しつくされてしまうということはあるかもしれない。 その時代を過ぎると、メディア自身は探索の対象ではなくなるかもしれない (道具として使われ続けることはあるにせよ)。)

Tags: Hack, PaulGraham

2008/06/03

昔話

普段はネットで若い世代のプログラマと自然に話してるんで世代間ギャップを 忘れそうになるんだけど、なんでターミナルでCtrl-Dを打つとEOFになるのかみたいな話を読むと 歳の差を感じてしまうなあ。

私が研究室に入った時の環境は、大きめの冷蔵庫くらいのMicroVAXで BSDが走ってて、私が確保したのはVT-220だったかな、オレンジ色の 文字が出る端末だった。あとはDOS PCをがしがしシリアル接続して 端末エミュレータにしてたかな。RS232Cのケーブルはよく作ったなあ。 (PCにEthernetなんてついてなかった。そもそもEthernetといえば直径1cm くらいある太くて黄色いケーブルにぐりぐり錐で穴をあけてつなぐものだった のだ。)

シリアルポートでの端末接続はサーバマシン管理には重宝するんで、 そんなにobsoleteな技術でも無いとは思っていたのだけれど、考えてみたら 最後に使ったのは2000年か? SIGGRAPHの展示会場で最終調整する時に ノートPCからシリアルでつないだ覚えがあるが。もう過去の技術なのかなあ。 うちの押入れには未だに非常用にD-sub 9pinや25pinのコネクタの買い置きが 埋まってるのだが。

あと、上記ひげぽんさんのところのコメントで書ききれなかったことの 補足:

  • 端末ドライバでEOFのデフォルトがctrl-Dなのは、ASCII codeの0x04が EOT (end of transmission) だからだと思う。 
  • DOSのテキストファイルでctrl-ZがEOFになるのは、本当の起源は どこだろう。私が知ったのはCP/M-80のファイルシステムで、あれは ファイルサイズがセクタ単位でしか管理できなかったので、セクタの 途中で終わるファイルのためにEOFマーカーが必要で、0x1aがそれに 使われていた。多分CP/Mもどっかからそれを継承したんだと思うが。
  • DOSのctrl-ZとUnixのctrl-D、どちらもEOFに関係してるが、前者が アプリケーションレイヤでの対応なのに対し、後者は通信プロトコル レベル(アプリケーションデータの外側)の話で、レイヤが違うことに注意。 設計的には後者の方が正しい。

(なおこの話題がおじさんホイホイであることは承知している。語りたい人は 各自、自分のページで語るように。)

(追記@2008/06/04 14:04:00 PDT: WiLiKi:びさんの「シリアル端末」見るまで気づかなかった んだけど確かに最近のノートPCにRS232C出てないな。今使ってるX60sは もちろん、先代のX22も無いや。上記のSIGGRAPHの時はその前の代だったから、 東芝のサブノート(portegeとかなんとか)だった。今世紀初頭に USBの普及で取って代わられたってことかな。)

Tags: Hack, PC

2008/06/01

Congratulations

既婚者の世界へようこそ、Paul

Tag: PaulGraham

2008/05/21

ビデオいくつか

3月に日本に行った際に、Google Japanにお邪魔してGaucheの実装について 喋らせてもらったのだけれど、Google Channel Japanで ビデオが公開されたとのこと。 急遽準備したうえ当日電車の乗り継ぎにしくじって遅刻したりして、 今見るとばたばたしてテンポ悪すぎなトークですが、 興味ある方はどうぞ。 (風邪気味だったかも。鼻をすする音が五月蝿い。) スライドはこちら

あと、最近またいくつかピアノ弾いて録ってみた。 人に聴かせる段階じゃないけど、Release earlyの精神で バージョン0.1公開。Release oftenできるかどうかはわからないけれど、 フィードバックは大歓迎。

ショパンの練習曲は死ぬまでにOp.10と25を全部弾きたいなあと 思いたったのがたしか6〜7年前。やっと半分、間違えつつも止まらずに 弾けるようになったので、また6年後くらいにOp.25を録音できたら いいなあ。ただ今でも速度は3/4くらい。 死ぬまでに指定速度で弾けるようになるだろうか。

Tags: Gauche, Piano

2008/05/18

本の選択

Paul Grahamがなにげに凄いと思うのは、エッセイに引用する書籍の 多様さだ。「ピーター・メール『どうして離婚するの?』」 (『子供につく嘘』で引用)とか、 1880年刊行の『ビートン夫人の賢い主婦マニュアル』 (『ハッカーと画家』収録の『格差を考える』で引用)とか、 エッセイの主題を決めてから資料を集めてるとは考えにくいんだけど、 普段からこういうのを読みまくってるんだろうか?

Tags: PaulGraham,

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