2008/04/10
PPL2008の論文が公開されたようです (via d.y.d.さん):
http://www.nue.riec.tohoku.ac.jp/ppl2008/program.html
私のは小ネタです。笹田さんのと一緒に読んでもらえるとおもしろいかと。 なお、この論文の実装はGaucheのCVSからexperiment_ffxというブランチで チェックアウトできます。
ところでd.y.d.さん が触れているTyped Virtual Addressingって、発想は BIBOPですよね。 BIBOPはアドレス空間が広く(32bitに)なった時に効率が悪いからってことで 現在ポピュラーなLSB数ビットにタグを埋め込む方式に取って替わられた ってな話をどっかで読んだ気がするんですが、64bit時代になって復活 してきたのは面白いですね。
Tags: Programming, Lisp, Publication
2008/04/07
ようつべを何となく見ていたら初音ミクにYMOをカバーさせてるクリップが たくさんあって朝っぱらから思わず聴きまくってしまった。懐かし。
今、改めて聴いて、
「Ongaku」の曲の意味が(字面でなく、実感で)やっとわかった。
「待ってる、一緒に歌うとき」。
しかしらむ太にピアノに登らせるのはまずい。
勝手にプリペアドピアノにされてしまう。
BGMとTechnodelicは神アルバムだったなあ。久々に聴きたくなったけど レコードは処分しちゃったしカセットテープは既に再生機器がない。 オンラインで買えないかな。iTunes Storeには無いようだしなあ。
Tag: Piano
2008/04/07
継続Festのプログラムが出ました。 かなり濃いイベントになりそうです。 私は残念ながら参加できないので、参加者によるレポートを 楽しみにしておきます。
http://logic.cs.tsukuba.ac.jp/Continuation/program-j.html
Tag: Programming
2008/03/16
砂糖菓子と死体
日本に来るとつい本屋に入り浸りになってしまう。きりが無いので衝動買いは 避けているのだが、気がつくと本が増えている…
ネットで評判を見てずっと気になっていた『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』を読んだ。良かった。個人的には星5つ。 ただ、読んでて痛い話ではあるので手放しで人に薦めるのははばかられる感じ。
私はこれを「子供が現実と闘って、生き延びたり生き延びられなかったりする話」と読んだ のだけれど、これはスティーヴン・キングの"The Body" (『スタンド・バイ・ミー』)と同じだ。 『砂糖菓子〜』は13歳の女の子。『スタンド・バイ・ミー』は12歳の男の子。 どちらも彼らを守ってくれるべき人々がそうしてくれなくて、 そのままでいたら溺れ死んでしまいそうなのを、彼らは自分達の力だけで 生き延びようともがかなくちゃならない。 で、どちらも結局生き延びられた子供だけが大人になる。 (背景となる家庭事情は『砂糖菓子〜』の方が切迫しているけど、これは60年代アメリカと 現代日本との違いかな。現代アメリカが舞台ならやっぱりかなり切迫したものになりそうだ。)
興味深い違いは、「実弾」と「砂糖菓子」の役割の差だ。 『砂糖菓子〜』では、実弾を探すなぎさは藻屑の放つファンタジーを効き目のない砂糖菓子と 評する (そして、生き延びたもう一人は文字通りの実弾を撃つようになる)。 『スタンド・バイ・ミー』では逆で、文字通りの実弾は一時的な解決でしかなく、 本当にサバイブするための実弾はゴーディの持つ言葉、物語る力であることを クリスが見抜く。 『砂糖菓子〜』の読後感がレクイエムみたいなのに対して、『スタンド・バイ・ミー』の それにかすかな希望があるのはそのせいだろうか。
(なお『スタンド・バイ・ミー』の文庫版を書店で見てみたが 翻訳の問題は 直ってなかった。残念なことだ。)
Tag: 本
2008/03/11
あなた方がこの春最もやってはいけない事は,Ruby,Python,schemeなどの最先端の言語に触れる事である.
正確には,それを会社で利用しようと思って触れることである.趣味で行うことにボクは口を出すつもりはない.
あなたがこの春,就職するまでにするべき事は,2つ
- Java,組み込み技術が必要な現場であればC++と言ったビジネスにおいて十分な実績のある言語の取得
- あなたが今までに作成したプログラムのKL(キロライン)とそれを作成するのに必要とした時間の把握
先日のPPLの講演では、マイナー言語で喰って行く方法のとっかかりとして 会社内でゲリラ的にマイナー言語を使って行くという手も紹介したので、 この件には触れておかねばなるまい (なお、PPLでの講演内容については読み物としてまとめてソフトウェア科学会誌 に寄稿するように頼まれたので、いずれそういう形で出せると思う)。
ちなみに元記事の内容は現実を踏まえた極めてまっとうな論だと思う。
自分の好きなマイナー言語を大きな組織の中での仕事で使って行くために、 個人の裁量でできるワークフロー改善からこっそり導入してゆくという手は とても有効だと私は思っているけれど、それはあくまでゲリラ戦であることを 承知しておかないとならない。組織の一員である以上、正規の仕事(ここではJavaやC++)も ちゃんとこなさなければならないし、むしろゲリラ的に動く自由を確保するためには 人並み以上に正規仕事ができなければならない。
この春、就職する人で、好きなマイナー言語を仕事でも使ってゆきたいという人に 私がアドバイスするとしたら、「Java帝国に潜入したScheme連合の諜報部員」 (JavaとSchemeのところは好きな言語に置き換えよ)に自分がなったつもりになる、 のが良いと思う。あなたのミッションはJava帝国を内側から崩すことである。 しかしあなたがSchemerであることは大っぴらに知られてはならない。少なくとも 内部に協力者を増やすまでは。さらに、帝国の上層部から信頼を得て権限のある 立場に昇るために、帝国の言語であるJavaについても人並み以上に使えなければならない。 道は険しい。Schemeへの愛が唯一の支えなのだ。だが 同志の集会で あなたは決して孤独な戦いに挑んでいるのではないことを知るのだ。
なんてね。 まあ、現状を変えてゆこうとするなら、現状にまかせて流れてゆくよりも 余分に泳がなけりゃならないのは仕方ない。 無理にならない範囲であれば、かわりに人と違うことをするって密かな楽しみを 得ることができるってわけだ。
それに、PPLでも言ったけれど、もし将来独立して技術コンサルやスモールビジネスを始めようと した時に、たとえ強力な言語を自分のコンペティティブエッジとするつもりであっても、 好き嫌いは別にしてメジャーな言語もちゃんと書けるようにしておくことは重要。 取れる仕事に幅ができるというのは余裕を持って仕事を選べるということだし、 現実社会の多くがメジャー言語で動いている以上、そことのインタフェースでは 相手の言語を理解している必要があるからだ。
Tags: Programming, Career

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