2006/08/01
Y Combinatorに行ってきた
せっかくボストンに来ているので、Paul Grahamの Y Combinatorに おじゃましてきた。毎週火曜日はY Combinatorの支援を受けているスタートアップの 卵が一同に会してディナー、なんだそうだ。ケンブリッジの静かな住宅街の一角に あるY Combinatorのオフィスは、平屋の四角い一軒家で、 ガレージを改造しましたと言われたら信じてしまいそうなくらい質素なものだった。 でも中の居心地は悪くない。オフィスと言っても大きなリビングとキッチン、 それに小部屋が2つといった風情で、Paul達が普段からそこで仕事をする わけではなく、打ち合わせやこういうイベントに使うスペースのようだ。
集まった面子をみて実に不思議な印象を受けた。Paul以外は初めて会うはずなのに、 どうも前にどこかで会ったような気がする顔ばかりなのだ。そうPaulに言ったら、 「みんなHackerだからじゃないの」と言われた。SIGGRAPHの会場もgeek度は かなり高いけれど、その比ではない。
Summer Founders Programの参加者が30人ちょっとくらいだったか。 みんな若い。平均年齢23歳だって。それと、Y Combinatorの4人のメンバーのうち Paul, Trevor, Jessicaの3人。Paulは自転車で、Trevorは一輪車でやってきた。 Robert Morrisは来れなかったようだ。 あとはゲストで投資ファームをやっている人が来てて、途中でトークがあった。
それにしてもやりたいことをやっているNerdが集まるとすげーパワーだ。 そこかしこでひっきりなしに議論していて、ついて行くにはこっちも 頭をフル回転させてないとならない。7時スタートで10時過ぎまで、あっという間に 時間が過ぎた。 ものつくりのセンスの 中でPaulは地理的な「ホットスポット」の重要性について述べているけれど、 あれはたぶん真実だ。この環境なら、少なくとも普段の5割増しくらい頭が回る。 大学院でこんだけ密度の濃い時間を過ごせていたらもう少し実績を残せたかもしれんなあ。
今あなたが学生をやってて、完全燃焼できてなくて不満を抱えているのなら、 挑戦してみる価値はある。日本からの場合ビザの問題があるが、研修という形に すればなんとかなるのではないか。日本で会社設立→Y Combinatorから 投資受け入れ→会社の予算でケンブリッジもしくはベイエリアで研修、 という流れ。Y Combinatorからもらうのは給料ではなくシードマネーだし、 USで作るのは基本的にエンジェルに見せるためのデモだし、 開発したものは日本で設立した会社のアセットになるわけだし、 研修で通りそうな気がする。それならBビザもしくはvisa waiverでいいはず。 ちゃんとしたところは移民弁護士に聞かないとわからないけど。
Tags: YCombinator, PaulGraham, Career
2006/07/31
LL Ringにリモートで参戦させてもらうのだけれど、 今日は会場の下見とかで、こちらの朝6時からビデオ中継のテスト。 寝過ごすかと心配したけど、まだ時差ボケボケのため逆に早く目が覚めてしまった。 夏の間は、ハワイ-日本の方がハワイ-東海岸より時差が少ないくらいなのだ。 今日も昼過ぎから眠気と戦うことになりそう。
Tag: Conference
2006/07/29
あの分厚い予稿集を抱えてホテルとコンベンションセンターを往復するのは 面倒だなーと思ったわけですよ。そしたら「紙の予稿集無し (DVD-ROMのみ)」って オプションがあったのでそれで申し込んだわけですよ。 ポータブルなUSB DVDドライブを持ってボストンに乗り込んだわけですよ。 なのに、「DVD製造が間に合わんかった!後で送るから!」って何ですか。
…と一瞬憤慨したのだけれど、今確かめたらACMのDigital Libraryで既に フルペーパーが入手できるようになっていた。な〜んだ。
Tag: Conference
2006/07/26
「ハッカーと画家」を訳していて、唯一ピンと来なかった章が "Why nerds are unpopular" だった。
自分は間違いなくNerdだったし、決してpopularではなかったが (たぶん変人と思われていたんじゃないかと思う)、 学校は居心地の悪い場所では無かった。いやむしろ、楽しかった。 なんてことを話したらPaulは 「じゃあ、米国の学校が特別おかしいのかもね」と言っていたのだが、 ネットでの感想を見る限り、日本でもあの章に共感を覚えている人は多いようだ。 「スクール・カースト」とか言うらしい。
私の通った学校が変だったのだろうか。確かに中学も高校ものんびり したところではあったが。思い返してみると、むしろカーストが あったとしても見えていなかったのかもしれない。 そもそもクラスというものに参加していた覚えがあまりない。 いつでも、何かしら取り掛かってるプロジェクトがあって、授業中も休み時間も そのことばかりやっていたような気がする (ずーっと論理表書いて回路図引いてたりとか)。 たとえそれがクラス絡みであったとしても(音楽祭でクラスの自由曲を編曲したりとか) それはやっぱり「プロジェクト」のひとつと思っていたんじゃないだろうか。
特に高校では大部分の時間を演劇部で過ごしていたから、たまに 劇部の活動が無くて教室で弁当を食べる時は一人で食べてたな。 あれ、俺、孤立してたのか? 大体そういう時も何かやりながら だったけれど。
自分(達)のやっていることが学校の中だけの価値基準で判断される ことに強く反発していたのは覚えている。「しょせん高校の部活動、 3年間楽しんで、卒業したら懐かしい想い出」、そういうのがすごく 嫌だった。未熟ではあっても、それが「大人」が本気でやるような 「本物の仕事」に連続的に接続しているものであって欲しかった。 高校生としての物差しではなく、プロの仕事と同じ物差しで見てほしいと 思っていた。それがどれだけ不遜な考えだったかはその後思い知る こととなるのだけれど、たとえそれを知っていたとしても、 「高校生としての評価、70点」よりは「実世界での評価、0.01点」 を望んでいただろうと思う。
でもPaulの理屈によれば、それこそがNerdの特質なのではないか。 特定集団内の相対的人気度ではなく、外にある問題を自分がどれだけ 解けるかという絶対的な尺度にこそ価値を見出す、っていう。
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結局、そうやってつるんでいた連中のうち幾人かは、本当にそれを 仕事にしてしまった。そうしなかった連中の人生も、多かれ少なかれ、 あの時やっていたことの何らかの延長にあるんじゃないかと思う。
仕事の質、あるいは技術という意味では、あの頃やっていたことは 本物の仕事には到底及ばない。本当にものを知らなかったし、 何をやっても下手糞だった。 けれど仕事に向かう姿勢は、何ら変わっていないように思う。
2006/07/24
うわ。Aeron Chairの肘掛けがいきなり落ちた。 ボルトが折れてる。 さすがに10年使ってるとガタが来るかね。 パーツだけって買えるのかな。さすがに新品と買い替えるのはきついぞ…
(今のはもちろん新品を自分で買ったわけではない。前の会社がオフィスを 畳む時に買い取ったものだ)
Tag: 生活
