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< 仕事は手段 | ピアノレッスン36回目 >

2012/02/16

好きを仕事にする場合

昨日のエントリで 端折ったところの補足。

好きなことを仕事にする理由として、それに時間を割けるから、というのを挙げたけれど、 その他にもいくつか、好きを仕事にしたい理由はあり得る。

(1) 好きなことに需要があり、他人より生産性がうんと高い場合。 好きでやって技能を磨いていれば、そこらの平均的な人よりはるかに上手くできるように なるだろう。「替えのきく」仕事なら自分がやっても平均程度しか稼げないが、 好きにマッチする仕事をすると同じ時間で何倍も稼げるのなら、 これは好きを仕事にする強力な理由だ。

(2) 他のことがどうしようもなくできない場合。 大抵の人は必要があれば「好きでも嫌いでもない」こともそれなりに出来るものだけど、 たまに「好きなこと以外はどう頑張ってもうまくできない」って不器用な人もいる。 (1)の裏返しだけど。そういう人は好きなことに専念してもらった方が、本人も周囲もハッピーだ。

(3) 好きなことを実現するために、個人では届かない規模が必要な場合。 小説やプログラミングなら一人でも出来るけれど、ものつくりの分野によっては、 たくんさん金がかかるとか、大勢の人を使わないとならないってものがある。 そういうのが好きになっちゃったら、そういう業界に行くことが、 好きなことを続ける唯一の方法だ、っていう場合もある。

(4) その分野の卓越した人とコラボレートしたい場合。 だいたいその分野の優れた人は既にそれを仕事にしているので、 自分もそれを仕事にすることで、一緒に何かやるチャンスはうんと増える。

他にもあるだろうけれど、忘れちゃならないのは、仕事にした以上、 「お金を出す人を満足させる」ことが「自分を満足させる」ことより絶対的に優先されるってことだ。

この二つをなるべく一致させるように行動するのがコツだが、 時にはどうしてもこれらが離れてしまうことがある。

その時、上に挙げたような明確な理由を持っていないと、 「なぜ自分は好きなことを仕事にしてるんだろう」と悩むことになるんじゃないかと思う。

「これが好きでやりたいからこの仕事に就きます」っていうのは、自明な論理じゃない。 むしろ、「これが好きなのに、どうしてわざわざそれを仕事にするの?」って考えてみるべき。

もちろん飛び込んでやってゆくうちに分かってくることもあるし、 理由だって変化してゆくものだから、 最初から考えすぎなくてもいいんだけど。

全く考えないで、ナイーブに「好きだからこの仕事」って思い込んでると、 単に憧れてるだけなのかどうか、自分でも判別できないからね。

Tag: Career

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