2012/02/15
仕事は手段
世の中には好きでなきゃやってけないような仕事もあれば、 弾さんの言うように好きかどうかなんて関係ない、「代わりはいくらでもいる」仕事もあるわけだが、 どちらにも共通するのは「仕事は手段であって目的ではない」ということだ。
もしかすると、前者の仕事はしばしば、 仕事そのものが憧れの対象になって、 仕事=目的と勘違いされやすいのかもしれない。
でも、好きが昂じて仕事やってる人ってのは、それが仕事にならなかったとしても (=誰も対価を払わなかったとしても)同じことをするだろう。それだけ好きなんだから。 仕事かどうかは関係ないのだ。
ただ、好きなことで対価を得られない場合、喰ってくためには他のことをして 稼がないとならないんで、好きなことに費やせる時間が減る。 好きなことをしてかつ対価も得られるならその心配がない。 つまり、「好きなことを仕事にする」というのは、 「好きなことを最大限やるため」の手段のひとつにすぎないわけだ。
実際には、好きなことを仕事にできたとしても、 その仕事内容の多くは、必ずしもやりたいとは思わないことで占められる。 それが仕事の原理だからだ。 (『好きな仕事の95%』)。
だから、一番好きなことは仕事にせずに、 喰うための「自分にとって比較的苦にならない仕事」を見つけるという戦略だってあるし、 そうしている人はたくさんいる。
いずれにせよ、仕事を探そうと思った時に、「自分はこれが好きだから」を理由に業種を絞るのは本末転倒で、仕事を目的と勘違いする危険がある。
もう好きで好きでたまらないことがある人は、「金になろうがなるまいが、好きなことをする」 というのを目的に据えて、ではそれをやってくにはどう生活を組み立てるか、という視点で 仕事を探すべき。そこで、仕事と好きなことを一致させようと目論むなら、 残りの95%を引き受ける覚悟が必要だ (「覚悟」には、そもそも本当にそんなに好きなのか自分で確かめる、という過程も含む。)
そこまでしてやりたいと思うほど好きなことが見つからないなら、 何だってやってみればいい。下手に「自分はこれがやりたいんだ」なんて思い込もうとすると、 却って視野狭窄にはまって自分を追い込むことになりかねない。 自分にできること、かつやってて非常な苦痛を伴わないこと、 あたりを選択の基準にするのがいいんじゃないかと思う。
- 関連: 好きを仕事にする場合
Tag: Career
sasagawa (2012/02/16 12:27:11):
ムナ (2012/04/21 14:29:40):