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2012/07/27

Milwaukee protocol

最近まで、狂犬病は、感染後ワクチンを打たずに発症したら例外なく助からなかった。 2004年、コウモリに噛まれて狂犬病を発症した15歳の少女が Children's Hospital of Wisconsin の医療チームによって救われ、 記録に残るうえで最初の生還者となった。その詳しい記事。

生還者が出たということは当時ニュースで読んでいたけど、 詳しい話は知らなかったのでついつい読みふけってしまった。 キリスト教系のサイトのようで若干神学的な言及もあるけど、 ドキュメンタリーとしても読み応えがある。

Milwaukee Protocolはこの時使われた治療手法。 狂犬病で死ぬのは、ウィルス自体が脳を破壊するわけじゃなくて、 ウィルスによって生じた炎症によって脳の機能がおかしくなるため。 そこで患者を人為的に昏睡状態におき、本人の免疫力がウィルスに勝てるまで強くなるのを待つ。 と、こう説明されるとナルホドと感心してしまうけれど、 前例が無い状態でこれをどうやって思いつき、どうやって決断したかっていうあたりを 前から知りたいと思っていたので、記事中できちんと触れられていて良かった。

この記事は2005年なので回復途上で終わってるけど、確か本人はその後大学も卒業したはず。

同様の治療法で(ワクチンを打たずに発症した段階から)回復したのは2011年の段階で5人 (US内で3人) らしい。助からなかった人の方がまだずっと多い。狂犬病クリーンな地域(日本とハワイは そうだけど、世界的には珍しい)以外で野生動物に噛まれたらワクチンは必須ですな。

Tag: Science

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